クレーンにも搭載されているDPFとは?

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コベルコ建機ホームページ内にクレーンのメンテナンスについて紹介されているページがあり、排ガス後処理装置についての記載がありましたので、DPFについてその役割とどう言ったものかを解説します。

クレーンのメンテナンス|アフターサービス|コベルコ建機 日本サイト
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DPF・DPRの役割

三菱などの表記、DPF (Diesel Particulate Filter)は訳すとディーゼル微粒子フィルター。

日野などの表記、DPR (Diesel Particulare active Reduction system)は訳すとディーゼル微粒子還元システム。

どちらもディーゼルエンジンから排出される微粒子、一般的にPMすすと呼ばれるものを排気ガスから取り除く装置になります。

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Photo by Elena Raklionskaya on Pexels.com

クレーンなどの排ガス規制はオフロード法と言われるものが適用されます。

DPFは2011年規制、いわゆる暫定4次とか3.5次規制の適合エンジンから装着されています。

PMすすが大気中に大量に排出されると、呼吸器疾患など人体に影響を与えると言われており各エンジンメーカーはPMの削減に力を入れてきていました。

エンジンから得られる出力や燃費などさまざまな条件のもとギリギリまで減らして、それでも減らせない分のPMをマフラー内に装着されたフィルターで捕集することがDPFの最大の役割です。

DPFのメンテナンス

フィルターであるDPFに一定量のPMが溜まると、排気温度を上げPMを酸化(燃焼)させ灰にします。

PMは灰になると体積が小さくなるので、PMを捕集する能力が復活(再生)します。

このようにPMを、

集めて→燃やして→灰にする

というサイクルを繰り返していきます。このサイクルを続けていくといつかは灰で満たされてしまい、最終的にはマフラーが詰まり、DPFが故障したり、最悪の場合はエンジンが始動できなくなります。

そのため完全に詰まってしまう前に、フィルターの洗浄・交換が必要となります。

コベルコ建機では4500時間での再生品(洗浄済みDPF)への交換を推奨しています。

PMを減らすには?

そもそもPMとは何なのでしょう?

PM (Particulate Matter)粒子物質と訳され、ディーゼルエンジンから排出されるPMの成分のほとんどが、すす(炭素のかたまり)と、未燃燃料(燃えきれなかった燃料)と言われています。

PMとNOxの関係

PMは空気と燃料をよーく混合してうまく燃焼させることで減らすことができます。

しかし、空気と燃料をよく燃やすと、空気に大量に含まれる窒素N2が反応して、窒素酸化物NOxを大量に生成してしまいます。

トレードオフの関係

  • よく燃やすとPMは減るがNOxが増える
  • 燃焼を抑えるとNOxは減るがPMが増える

そのため国内外を問わず各エンジンメーカーは、

  • PMを減らしてNOxを浄化する(尿素SCR)
  • PMをDPFで捕集してNOxを減らす(DPF)

のどちらかを採用しています。

現在は2011年規制からさらに厳しくなった2014年規制(4次規制)となっており、ほとんどのメーカーがDPFと尿素SCRの併用システムを使用しています。

DPFでPMを捉え、SCRでNOxを浄化するという2段階での排ガス後処理をおこなっています。

これからも高まる排ガス規制、さらにCO2に代表される温室効果ガスの低減も課されていくことでしょう。

エンジンの進歩に加え、電動化や代替燃料の研究開発などこれからもクレーンはどんどん進化していくことと思います。

今は規制に次ぐ規制で、メーカーにとっても使用者にとっても苦しい時代と言えますが、世界がカーボン政策に光を見出すことができたならば、きっと素晴らしい世界を後世に残すことができると信じています!

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