【解説】移動式クレーン接地圧の見方と考え方をカンタン解説

クレーン解説
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接地圧とは?

接地圧とは地面に与える圧力のことを指します。

では圧力とは何かというと、押す力を面積で割った値となります。

圧力 = ちから(重さ) ÷ 面積

クレーンなどで言われる接地圧は機械の重量が、地面に与える圧力なので力を重さに置き換えます。

また、ラフタークレーンのアウトリガーは接地圧よりも反力という用語が用いられますが、接地圧と同じ意味になります。

反力=接地圧

みんな一度は経験してるはず

シャープペンなどのノックと芯を間違えて押した経験あると思います。

間違った時は、いつもの力で押しているのにとても痛いです。この違いが圧力の大小となります。

クレーンをペン、指を地面と考える

では、クレーンが地面に与える接地圧はどのように考えたら良いでしょう。

  • 押す力=クレーンの重量(吊り荷込み)
  • 面積=クローラなどの接地面積

接地圧=クレーンの重量÷接地面積

接地圧を知る理由としては、接地圧が高すぎると、ペン先で指を怪我するのと同様、地盤が耐えられず沈んだり、傾きが発生したりするためです。


各メーカーの接地圧算出サービス

地面にクレーンを据えた場合、クレーンの重さと接地面積から接地圧を算出することができます。

コベルコ建機と住友重機械建機クレーンホームページからアクセスできる接地圧計算サービスを使ってみました。

計算結果に表示されている接地圧のうち最も高い数値が最大接地圧となります。

この最大接地圧が、建設現場で算出された地盤強度を下回れば安全に稼働ができると言うことになります。

もし地盤強度が不足している場合は、地盤改良を行うか、鉄板を敷くなどして圧力を分散させるなどの処置が必要になります。

なぜ最大と最小があるの?

広いクローラの中で最小と最大が現れることに疑問を持つ方は以下の解説も合わせてご覧ください。

クローラ正面で荷を吊る場合

正面つまり、旋回角度0度で荷を吊る場合、クローラが地面に与える接地圧は左右ではほぼ同じになります。

しかし、前後で見るとクローラ前方に大きな力が発生していることがわかります。

上の図の最も大きな矢印が、最大接地圧となります。

旋回して荷を吊っている場合

では、少しだけ左に旋回してみましょう。

このとき、物理に詳しくない人でも左足が踏ん張っているはずと直感的にわかるはずです。

上の図では左クローラの前方にもっとも力がかかっていると予想されますので、最大接地圧も左クローラ前方に現れます。

これは荷の重量が同じだとしても旋回角度によって異なるため注意が必要です。

各メーカーの接地圧計算サービス内でも、接地圧が最大になる旋回角度を知ることができます。

これから工事を計画する場合などは、旋回時の最大接地圧を知り、その現場地盤が耐えられるのかを検討しなければなりません。

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