テレスコブームを持つクローラクレーン KATO CCH550T vs KOBELCO TK550G 色々比較

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最低限の組立作業で柔軟に対応できることから近年人気の出ているテレスコピックブームを搭載するクローラークレーンのKATO製CCH550T とKOBELCO製TK550Gを徹底比較してみました。

テレスコピッククローラークレーンとは?

ラフタークレーンなどによく見られる伸縮可能なテレスコピックブームを持ったクローラークレーンのこと。

特徴としては現場搬入の際にブームの組立作業が省略でき、作業に必要な長さまで自身のシリンダを使いその都度自由に伸縮できる。この機能がフルに発揮されるのは主に狭い現場である。現場の長手方向が20メートルしかない場合、本体を含めて20メートルより長いブーム構成のクローラークレーンは組立作業ができない。

また、近年のテレスコクローラーは組立・解体にも便利な機能が追加されクローラー脱着やカウンタウェイト脱着は自力で作業できたり、ブームの脱着も以前より簡単に行えるようになっている。

KATO製CCH550Tの特徴

KATOカタログより

ブーム長はコベルコより少し長く、11.4から34.5mまで任意の長さで作業を行うことが可能。

ブーム、クローラ、カウンタウェイトの分解が出来、オプション追加でブーム+ウィンチの脱着が可能となる。

ブーム+ウィンチ脱着オプションの何がすごいかというと、ブーム搭載後のフックへのワイヤ仕込み作業が不要となる!

重量規制が厳しくなるとブームを外して運用することも増えるだろう。そんな時にウィンチごと脱着できる本オプションは優秀なオプションとなるだろう。

吊り上げの能力は最大55トン×3.0メートル(8本掛)で、1本掛け能力は7トンとウィンチ性能も高い。

加藤製作所 CCH550T 紹介ページ

CCH550T-6|加藤製作所

CCH550T公式動画


KOBELCO製TK550G の特徴

コベルコより

大きなMLモニタとこのクラスでは高級感のあるキャビンを搭載したTK550Gは、最大定格55トン×3.0メートル(12本掛け)、ブーム長10.0〜30.1mの間で任意のブーム長で作業ができる。 

ワイヤ1本掛け5トンの吊り上げ能力を持つがKATOの7トンに比べると見劣りする。

コベルコ TK-Gシリーズ紹介動画

最近発表のあったSB(ショートブーム)仕様でもワイヤ径を20ミリに変更しラインプルを6トンに向上させるもののKATO CCH550T に軍配が上がる。


能力比較

フルカウンタウェイト時のメインブーム定格総荷重表から吊り上げ性能比較を行うとブームの長いCCH550T の方が不利か?と思ったが意外な結果に。

吊り上げ能力に差があるが、運用のしやすさは?

ほぼ全域にわたってKATO CCH550Tの優勢となった。想像するに、KOBELCO TK550Gの本体重量の55.8トンに比べ、KATO CCH550Tは本体重量60トンとどっしり感にアドバンテージがあり安定度も有利になると思われる。

KOBELCO TK550Gのカタログなどには重量や寸法がきっちりと記載され、コンパクトさ輸送のしやすさなどを随所に記載している反面、重量の重いKATO CCH550Tのカタログ等には重量や輸送に関する情報が圧倒的に少ない。

高い揚程と高ラインプルを誇るCCH550T だがその長いブームにより狭い現場では振り回しにくいこともあるかもしれない。

まとめ

CCH550Tは能力優先!

高ラインプルと高揚程、吊り上げ能力でも有利なKATO製CCH550T!

TK550Gはコンパクトと機能の両立!

狭い現場でこそ活躍するテレスコピッククローラークレーンのコンパクトさと機能のギリギリを狙っていると思えるKOBELCO製TK550G。ショートブーム仕様も追加され、高揚程、高ラインプルとは逆の戦略に他社との違いも見せつけ今後の展開に期待。