コベルコ建機ホームページ内に新型200トンクローラクレーン”7200G NEO”が2021年10月1日から販売開始というニュースリリースが掲載されていました。
大幅な進化を遂げた!?
まずは外観から見ていくと
コベルコから販売されるクローラークレーンMastertech 7000シリーズは全機種同様のレイアウトを踏襲してきましたが、今回のNEOでは全てのウィンチを本体から取り除いたウィンチレスボディを採用しています。
荷を吊る主と補の両ウィンチは下部ブームに搭載され、起伏ウィンチはなんとガントリに搭載されているようです。
キャブ形状も一新されdelight(デライト)キャブという名称が公開されています。
なんとも豪華なキャブとなっているようで、オートエアコン(ショベルにて実績あり)、ヒーター付きエアサスペンションシート、今や自動車でも当たり前になってきたUSBソケットも搭載。
ぱっと見HSCのキャブに似てる外観では有るが、足元から天井まで柱に邪魔されない視界はさすが。
ただし視界が良くなると、クレーン作業にとって辛くなるのは日差しとジリジリ感。この辺りの対策もなされているか期待したいところ。
アシスト機能が満載
タワー仕様時のブーム起こしからジブ振り出しまでを一貫して行える機能や、荷の水平移動、組立の際の起伏ロープ繰り出し長さを教えてくれる機能などストレス軽減機能が搭載されるよう。
気になる傾斜ジブキャッチ
筆者が最も驚いたのが”K-JIB-CATCH”傾斜ジブキャッチ機能。何とメインブーム(ポスト)を80度前傾したままジブを格納できるという機能。
従来はメインブームを90度に直立させ、ジブを倒していきキャッチ(固定)していた。どんなにジブを下げ方向に操作しても垂直より手前にはいかないので仕方なかった。
従来方式のデメリットとして、ジブ降下スピードが速すぎるとメインブームにガシャんとぶつかりメインブームが後方に煽られたり、
満足に旋回できないほどの狭い現場で強風時、風上にしか向けない時にもジブを格納する時には勇気を出して90度に直立させるしかなかった。
(クレーンのブームに対する風の影響は顕著で、作業中止するほどの強風時は、基本カウンタウェイトを風上に向けてブームが浮き上がらないようにする。)
それを80度でジブキャッチできると言うのだから、これは日本のクレーン史でも転換点ターニングポイントと言って良いと思うほど。
組立性も進化
組立時のリモコンはワイヤレスに進化し、なんと旋回とブーム起伏も操作可能に。運転席に乗らず直接視認しながらの操作が可能となっています。
ガントリクイックセット
HSCのようなマストタイプではなく、従来通りのガントリタイプを採用。さらに起伏ウィンチ、起伏スプレッダを一体輸送できるようにしたことで、輸送重量を抑えて輸送する際の組立性を向上しているよう。
HSCにはマストで自機のクローラーを脱着できるクイックドローという機能があるが、KOBELCOのNEOではこれは出来ないだろう。この辺りは現場によって好みが分かれそうなところ。
タワーキャップ・ストラット・下部ジブ一体輸送!?
またまた驚きの機能が、なんとタワー仕様組みたとの際に何かと時間を要するタワーキャップ、ストラット、下部ジブの3点を事前に組み立て、そのまま輸送、そのまま組立てまで出来るという初見では想像出来ないような機能もオプションで搭載されるよう。
これによる組立時間や労力の短縮が如何程かが気になるが輸送コストや組み立て順序を考えると、期待できる機能に思える。
ほかにもカタログには嬉しい機能が満載のよう。
7200G-NEOのカタログページ
https://www.kobelco-kenki.co.jp/products/crawler_cranes/pdf/7200G-2N.pdf
気になる吊り上げ性能は?
クレーンの主たる機能はもちろん吊り上げ性能である。
重たい荷物をどこまで運べるかに真価が問われる。
カタログ値ではなんどクレーン仕様では最大10%アップ、タワー仕様では何と最大25%の性能向上とある。
ガラリと姿を変えてきたコベルコの新型200トン。
マストタイプにいち早く切り替え、後部フレーム別置構造のHSCと、ガントリ式を踏襲しながらも大幅な進化を遂げたKOBELCOのこだわり抜いた両機種の今後に期待です。
現場で拝見する機会がもうすぐ訪れると思うとワクワクします。
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