3Dプリンターで成形した巨大なクレーン用フックを実用化!

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オランダのHuisman(ハウスマン)と言う会社が、3Dプリント技術(WAAM方式)を使いクレーン用フックを実用化したというニュースがInternational cranes に掲載されていました。

鋳造に対するメリットは?

巨大な構造物を鋳造技術を用いて作る場合、内部の品質を均一にすることはとても難しいとされています。

溶けた金属を型に流し込み、冷えて固まることで任意の形状に金属構造物を作ることができる鋳造技術ですが、流し込む間にも温度変化が起き、外びけや内びけなどの形状不良やガスによる空洞が発生することがあります。

高温になった金属内部を不具合がないか確認しながら作業することは困難を極めます。

5年もの研究開発の末、3Dプリントにより高品質、低コスト、短納期を実現可能とのことです。

金属プリント技術 WAAM方式とは

金属を造形する3Dプリント方式はいくつかあります。金属3Dプリントの方式についていくつかご調べてみました。

そのなかでもWAAM方式は材料コストや造形スピードなど総合的に見ると品質を維持したまま、大型化やコスト削減、納期の短縮を実現可能なようですね。

パウダーベッド方式

金属粉末を敷き詰めたベッドにレーザーや電子ビームを当て必要な部分を溶かして固めていく方式。

高精度、再現性も良い。ベッドサイズによるため大型化が難しい。パウダーは再利用可能。

指向性エネルギー堆積(DED)方式

噴射される金属パウダーにレーザーを照射することで溶けた金属を堆積させていく方式。

パウダーを切り替えることで異種金属も堆積可能。比較的簡単に大型化が可能。パウダーの除去不要で効率的だが、精度はパウダーベッド式が良いと言われている。

WAAM方式

Wire arc additive Manufacturing 方式。ワイヤーを溶かしながら堆積させていく方式。粉末は発生せず粉塵爆発等の危険もなく、比較的高速に造形が可能。

金属ワイヤーはすでに確立されている技術に対し、金属パウダーの製造には大小様々な粒を目的に合わせてふるいにかけ、揃える必要があり製造コストはいまだに高いと言われています。

将来的には大型化も視野に

ハウスマンでは溶接ロボットの生産設備を拡張し、重量5トンのフック生産を目指しているとのことです。

あらたな技術で高品質、低コストなクレーン用フックに期待です。

https://www.internationalcranes.media/news/Huisman-goes-large-with-3D-printed-hooks/8013616.article