カーボンニュートラル・カーボンネットゼロとは?

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最近ニュースでよくカーボンニュートラルやネットカーボンゼロ、ゼロエミッションなど多くの環境改善に向けた用語が飛び交っています。

先日タダノから発表された電動ラフター商品化計画も、”2050年カーボンネットゼロ実現”という言葉から始まります。

カーボンネットゼロとは

カーボン(炭素)ネット(正味)ゼロという意味になります。

あらゆる分野の企業・団体が極力二酸化炭素排出を抑える努力をし、それでも排出してしまう二酸化炭素を、植林やクレジットで購入し正味(ネット)排出ゼロにするという考え方の用語です。

温室効果ガスの排出量をトータルでゼロにする”カーボンニュートラル”とほぼ同義のため、当サイトでは同じ意味として扱います。

カーボンは二酸化炭素CO2を含めた温室効果ガス全体を表すこともありますが、多くの場合二酸化炭素CO2の削減を目的にする企業・団体が多いように感じています。

二酸化炭素はなぜ排出される?

多くの場合は化石燃料(重油・軽油・灯油・天然ガスなど)を燃焼させた時に排出される二酸化炭素になります。

また、火力発電の多くが石炭を使用しており、家庭や会社、工場で電気を使えば間接的に二酸化炭素を排出していることになります。

タダノやLiebherrの電動クレーンは完全なカーボンネットゼロなの?

多くのクレーンが、今までディーゼルエンジンで動いていたことからすると、これらのEVクレーンは、クレーン作業に対して排出されるカーボンはゼロになります。

しかし、先述のように火力発電所由来の電気を使う場合や、ガソリン・ディーゼル発電機を使って充電する場合は、真のカーボンゼロと言えるでしょうか?

そもそも

これらのクレーンや部品を製造するための電気は?

輸送する船やトラックの排出ガスは?

などどこまでの範囲でカーボン排出を算定するかでカーボンネットゼロの効果範囲は変わってきます。

日本のとりくみ2050年カーボンニュートラル

日本政府がかかげる2050年カーボンニュートラルの実現のためには、あと28年(2022年起算)で

全国の火力発電所を自然由来の再生可能エネルギー発電所に建て替える!

日本中を走る車両や建設機械、船舶を化石燃料に依存しない機構に置き換える!

いままでカーボン排出していた車がEV化して足りない電力分の発電所も頑張って作っておく!

ということになります。

ムリやん!

と思った方は少なくない、、、というかほぼ全ての人がそう思うでしょう。あなたは28年以内に太陽光発電だけで生活できる家と、EV車を買いそろえる自信ありますか?

試算したことはないですが、私はムリだと思っています。

やっぱりカーボンニュートラルはできないの?

いやいや、全く光がないというわけではありません。そもそも実現できそうにないことを世界や国が構想するはずがありません。

空を夢見たライト兄弟のように、不可能だと思われていたことでも努力を続け、必ず達成しないといけないことなのです。

エンジンは無くならない!?

全ての内燃機関エンジンをEV化してしまうと確実に世界の電力は足りません。国土の少ない日本でも風車や太陽光パネルをいくら設置しても足りないのではないでしょうか。

そこで現在世界中で研究開発されているのが代替燃料です。

バイオ燃料

植物(有機物)由来のバイオエタノールを利用したバイオ燃料。バイオ燃料は地産地消エネルギーとして日本の各自治体でもよく耳にします。燃料であるため二酸化炭素は排出しますが、植物を育てる際に吸収した二酸化炭素で相殺できてるはずだという考え方ですね。

ブラジルなどは早くからとうもろこしの搾りかすからバイオエタノールを製造し化石燃料に混ぜて使ってきており世界的にも有数の先駆国になります。しかし、バイオ燃料農家がムリな開拓をしたり食糧のための生産量が減ってしまったりと課題もあるようです。

合成燃料

空気中の二酸化炭素と水素を材料にして、人工的につくられた燃料になります。化石燃料の主成分とほぼ同じ分子構造を再現可能な上、鉱物など不純物がないことも利点です。また、植物と違い腐食して使えなくなるということもなく長期貯蔵も可能です。

水素をどこから持ってくるかという課題もありますが、風力発電などの再生エネルギーで製造することでカーボン排出をさらに抑えることも期待されています。

再エネ、EV、代替燃料など選択肢と分散がカギか

多くの困難はあるでしょうが、EVや代替燃料など多数の選択肢の中で社会を発展させ、カーボン排出を抑えつつ新たな再生エネルギー発電所を建てていくことで、2050年カーボンニュートラルは決して無理な話ではないと信じています!

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